札幌・札幌近郊を中心として不動産の相続手続(相続登記)をお手伝いしている司法書士平成事務所です。土地や家などの相続した不動産の名義変更でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
さて、札幌で、土地などの相続不動産の名義変更手続の相談を受けていると、「遺言書があります」といわれることがあります。ここで、遺言書がある場合の相続不動産の名義変更手続についてご説明いたします。
遺言書があるなら、ほとんどの場合で遺産分割は不要
たとえば札幌市中央区の被相続人Aが遺言書を作成していて、そこに「札幌市南区の土地はBに相続させる」と記載されていることがあります。このような場合、Aの相続人がB以外にもいる場合であったとしても、遺産の分割を行う必要はありません。
「相続させる」という記載のある遺言書は、「遺産分割方法の指定」であると理解されています。簡単に述べると、「相続させる」とある以上は、遺産分割は既に終わったことになるのです。
不動産を取得した人以外の協力は不要
遺言書において、「札幌市南区の土地はBに相続させる」と書いてあるのであれば、B以外の相続人の協力なくして、相続不動産の名義変更ができてしまいます。
遺言書がない場合であれば、Cの協力(具体的には「札幌市南区の土地はBが相続する」と記載された遺産分割協議書への実印による押印と印鑑証明書の添付)が必要となるところ、上記のような遺言書があるのであれば、Cの協力は不要なのです。
なお、相続した不動産の名義変更のために、司法書士に依頼する場合も、Cが関与する必要はありません。
遺言書を法務局に提出
遺言書に基づいて相続した不動産の名義変更手続を行う場合、管轄の法務局(札幌市南区の土地であれば「札幌法務局南出張所」)に遺言書を添付して申請しなければいけません。遺言書に基づく相続登記の添付書類は、一般的には次の通りです。
・遺言書
・遺言者の死亡の記載のある戸籍
・遺言者の除票または戸籍の附票
・不動産を取得する相続人の戸籍
・不動産を取得する相続人の住民票
自筆証書の遺言書であれば、検認が必要
遺言書といえば、主たるものとして「自筆証書の遺言書」と「公正証書の遺言書」の2種類があります。自筆証書の遺言書とは、簡単に言うと「手書きの遺言書」です。公正証書の遺言書とは、公証役場で作成した遺言書です。
このうち、自筆証書の遺言書については、相続不動産の名義変更のために管轄の法務局に添付して提出する場合は、「検認」を受けたものでなければいけません。
検認とは、家庭裁判所で行われるものであり、自筆証書の遺言書の存在を明らかにし、その時点での内容を記録として残すものです。検認については家庭裁判所に対して申し立てをすることが必要であり、当事務所でもそのお手伝いが可能です。※ご費用についてはこちら
公正証書の遺言書であれば検認不要、そして「謄本」で可
公正証書の遺言書であれば、家庭裁判所で検認を受けることは不要です。検認を受けていない遺言書を、管轄の法務局(札幌市南区の土地であれば「札幌法務局南出張所」)に提出すればいいのです。
なお、公正証書は「正本」と「謄本」というものがあります。「正本」のほうが法的な効力が強いため、正本であれば何かと安心ですが、相続不動産の名義変更手続においては、法務局に提出するのは「謄本」で足ります。
公正証書の遺言書、紛失していたら……
公正証書の遺言書を紛失していた場合、公証役場で謄本の再発行を受けましょう。公正証書の遺言書は、公証役場で遺言書の原本を保管していますが、相続人であれば、その謄本を改めて取得することが可能です。
なお、相続人が謄本を取得する場合は、遺言者の死後でなければいけません。遺言者が生きているうちに、遺言者以外の者が遺言書を見せてもらうことはできないのです。
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