札幌・札幌近郊を中心として相続不動産の名義変更手続きをサポートしている司法書士平成事務所です。札幌市中央区にある当事務所では、相続登記について数多くのご依頼がございます。土地や家などの相続不動産の名義変更(相続登記)でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
さて、今日は札幌の当事務所で取り扱った事例についてご紹介します。それは換価分割による相続登記です。
「換価分割」は、どのようなときに行う?
換価分割は、遺産の分割の仕方の一例です。相続した土地や家などの不動産を売却して、その売却代金から諸費用を差し引いた残額を、相続人で分けるのです。事例を挙げて説明しましょう。
事例
被相続人:札幌市西区のA
相続人:札幌市西区のBと関東在住のC
遺産:札幌市西区の土地
行いたいこと:遺産である土地を売却し、そこから諸経費を差し引き、BとCで分けたい
以上の事例の場合に、合理的なのは札幌市西区の土地をBの単独の名義にして売却することです。Cは関東に在住しているため、売却に関与するのは物理的に難しいといえるためです。
この場合に、遺産分割によって不動産をBが単独で相続し、その売却代金の半分をCに渡すということをやると、場合によっては「贈与」と受け取られかねません。あくまで「札幌市西区の不動産をBが単独で取得した」という前提があるため、贈与と認定されて贈与税が課されても不思議ではないのです。
このような場面で利用するのが「換価分割」です。換価分割は、遺産分割の一種であり、遺産分割の協議のなかで、「売却代金を半分に分ける」と決めるのです。税務上の要件が整っている場合は、これで贈与税が課されなくなるのです。
「換価分割」は、遺産分割協議書の記載の仕方に要注意
換価分割を行う際は、単純に不動産を特定の相続人の単独名義にして売却し、その売却代金のいくらかを他の相続人に渡せばいい、などと単純に考えてはいけません。これでは上述したように、「不動産の単独相続+金銭の贈与があった」と受け取られてしまう可能性があるためです。
大切なのは、遺産分割協議書という書類の上で、換価分割である旨が明確に読み取れることです。たとえば、次のように記載するのです。
第一条 相続人 B が取得する財産 |
(1)不動産 所在 札幌市西区●● 地番 ●● 地目 ●● 地積 ●● |
第二条 前条の不動産については法定相続分を分割割合とする換価分割を行うものとし、以下の要領でこれを売却換価し、売却代金から必要な経費を差し引いた残金を、各法定相続人が各法定相続分(B2分の1、C2分の1)で取得する。 |
登記の観点から述べると、遺産分割協議書を作成する際の注意点は、第一条に「相続人Bが便宜取得する」や「一時的にBが取得する」と書かないことです。「便宜」や「一時的」という文言は、Bが単独名義にするということと相反することが考えられます。
換価分割をした際の注意点
換価分割による相続手続を行う場合、当事務所では顧問の会計事務所と共同で案件の処理を進めました。やはり税金面でのケアが必要だからです。顧問の会計事務所によると、換価分割を行う際は贈与税以外にも注意しなければいけない点があるといいます。
それは、「譲渡所得税」の申告です。譲渡所得税は不動産の売主になった者が申告して納税をします。上記の事例であれば、札幌市西区のB名義にして売却したのだから、Bが譲渡所得税の申告を進めることになるのは分かりますが、Cも譲渡所得税のことを検討しなければいけません。税務上は、「BとCが共同で売却し、そのお金を分ける」というのが換価分割の考え方なのでしょう。
札幌・札幌近郊で土地や家などの相続した不動産の換価分割手続にお困りの方は、当事務所にお問い合わせください。
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