札幌で、マンションや土地などの相続した不動産の名義変更手続をサポートしている司法書士平成事務所です。札幌市中央区にある当事務所には、相続不動産の名義変更手続(相続登記)のご相談・ご依頼が数多くございます。札幌で相続登記のご相談・ご依頼は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
さて、相続不動産の名義変更手続の際に、「中間省略登記」が問題となることがあります。相続登記と「中間省略登記」の関係について、ここで解説します。
「中間省略登記」は原則として認められない
不動産の権利に関する登記は、原則として中間省略登記は認められません。事例を挙げましょう。たとえば次のような場面です。
事例1:札幌市西区の土地を、AがBに売却し、BがCに売却した。札幌市西区の土地は未だAの名義のままで、これをCの名義にしたい。
この場合に、AからCに直接名義を移すことは原則としてできません。札幌市西区の土地の所有権が「A→B→C」と移ったのであれば、土地不動産の名義も同様に「A→B→C」と移すべきなのです。仮に中間を省略してしまうと、後々に不動産登記事項証明書の記載から、権利の変動を読み取れないためです。
相続の場合は、「中間省略登記」が認められる
相続の場面であれば、ある要件を満たした場合に、中間省略登記が認められることがあります。事例を挙げて説明しましょう。
事例2:Aが所有していた札幌市北区のマンションを、Bが相続した後にBが死亡し、CがBを相続した。
このような連続した相続の仕方を「数次相続(すうじそうぞく)」といいます。数次相続の場合で、一定の要件を満たした場合は、中間を省略して、「A→C」という形での名義変更が可能なのです。※中間を省略するメリットとしては、中間者の名義にする際の発生するはずの登録免許税が免除されることにあります。
その一定の要件とは、「中間が単独相続」であるということです(昭和30年12月16日付民事甲第2670号民事局長通達)。中間が単独相続であれば、その中間者(上記のB)を飛ばして、AからCに移転登記ができるのです。
この「中間が単独相続」というのは、結果として単独相続であればそれで足ります。事例を挙げて説明します。
事例3:札幌市東区の土地を持っていた甲が亡くなり、その相続人は子供である乙と丙。乙と丙の間では、この不動産を乙が相続すると決めたが、相続登記未了の間に乙が死亡し、乙の相続人は丁であった。
事例3の場合は、「甲→乙→丁」という権利の変動であり、中間の乙は単独で相続しているため、乙への移転を省略し、「甲→丁」という移転登記が可能です。なお、この場合は、通常は登記の申請に際して「札幌市東区の土地は一次的には乙、二次的は丁が相続する」という遺産分割協議書を添付して申請します。
中間が単独相続であると明確に書いてなくても……
では、上記事例3の場面で、登記の添付書類として「札幌市東区の土地は丁が相続する」という内容の遺産分割協議書が添付されて、「甲→丁」という中間を省略した登記が申請された場合、相続登記はできないのでしょうか。中間を省略できるのはあくまで「中間が単独相続」である場合であり、それが遺産分割協議書から読み取れない場合はどうなるのか、という話です。
これについて、平成29年に通達が出て、「札幌市東区の土地は丁が相続する」とされた遺産分割協議書でも、「甲→丁」への移転登記はできることになりました(平成29年3月30日法務省民二第237号通知)。
このような取扱いは、昨今進められている「相続登記の簡略化」の一環でしょう。それでも数次相続における相続不動産の名義変更手続は簡単ではないことから、手続にお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
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